夜の帳
(注意※やや大人向けです)
冬は空気が澄んでいて月が綺麗に見えると聞いたことはあるけど、この時代の月は現代社会と違ってどの季節も美しく見えるような気がする。
それはBASARAの世界が好きなだからそう感じるのかもしれないけど。
その美しい月が照らす屋敷では夜も遅いせいか見回り組以外は火も人も見かけることはない。寝静まった屋敷は昼間の賑やかさを考えると少し不気味だが月光のお陰で大分軽減していた。
「……っ」
その静けさを邪魔するように布を擦る音が聞こえる。ぼそぼそと内緒話でもするような声はこの静けさを気遣ってのものだろうが、車やネオンなどの弊害がないここでは隠しようがなかった。
春先ではまだ寒い夜に障子を少し開けた部屋を覗き見れば隙間から差し込む月光に照らされた者が怪しく蠢いている。部屋の行灯は落とされ、形までしか見えないが吐息は2人だ。掛け布団は投げ出されたままだが寒くはないらしい。
「う、…ん…」
組み敷かれた片方が覆いかぶさっているもう片方の賭け襟を握り締める。微かに見える表情は苦しそうに眉を潜めているようだったが拒絶する様子はない。
それを見ていたもう片方はフッと息を漏らすと彼女に顔を近づけ誰にも見えないように隠してしまった。
部屋には吐息と布を擦る音だけが響き、時折彼女の声が短く響く程度だ。
「。もっと声を出していいんだぜ?」
「無理、いわないでっ……っ」
「I want to hear your voice.....Pleas.」(声を聞かせろよ)
「…っ……ぁ……まさ、むねさま、」
吐息と一緒に漏れた声は子供特有のそれであったが、翻弄されまいと堪える声色は艶を帯びていて政宗は無意識に唇を舐めた。
は逆光と髪の毛に邪魔されて政宗の顔はよく見えなかったが与えられる感触と音に自我を手放してしまいそうなくらい思考が溶けていた。
茹るように熱い身体と意識を必死に繋ぎとめようと政宗の着物を掴んだが彼が意に返すわけもなく、緩めるはずもなく熱は高くなっていくばかりだ。
前の世界の自分はこんなに淫乱だっただろうか、と思うくらい淫らではしたない自分に、自分であって自分でないこの身体のせいなのか、政宗のせいなのかわからなくなっていた。
「……」
「…っ…」
耳元で囁かれた声に我に返ったはビクリと肩を揺らす。掠れた、情欲に濡れた声は電気のようにの身体を突き抜け、細胞という細胞が赤く染まる錯覚さえ覚える。
肌蹴た部分が触れ合い、汗ばんだ温度がひとつに溶け合うんじゃないかっていうくらいの熱さに眩暈がしそうだった。
密着したままたいして身動きしていないが政宗の指先はさっきからいやらしく蠢いていて呼吸するのも辛い。おぼろげに首に腕を回せばキスが降ってくる。
心臓が煩くて息苦しいけど触れてる部分が心地よくて夢中になれば呼吸困難になるほど貪られた。
少しは加減してほしい、と苦情の意味を込めてなぞった頬と耳を噛むと政宗は聞こえるように笑って、その魅惑的な声を発する唇で首筋を辿りが1番反応する場所を食べた。
「っ…ダメ…!」と後出しのように声を発したが身体は政宗にいいように操られ、仕舞いには彼にしがみつき快楽の波に飲み込まれた。
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2018.10.13 加筆修正
英語は残念使用です。ご了承ください。
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