You know what?




□ Timing - In the case of him - □




タイミングというのは本当に大事だと思った。

まだ自分達があどけない中学生だった頃、いつものようにファミレスでお喋りをしながらダラダラと時間を過ごしているとある一人が隣にいた彼女に何やら耳打ちをして外を見やった。それに習うように外を見た彼女は見つけたものにプッと吹き出し教えてくれた彼に笑顔を見せている。

その笑顔は今より幼くあどけなさがあったが彼はそんな彼女の笑顔を見て満足そうに口元をつり上げていた。


「何なに〜?俺らにも教えてよ〜」
「うん、あのね」

それを見たジローが自分にも教えろと身を乗り出してきたので彼女はその笑顔のまま口を開いたが声を発する前に隣の彼に手で塞がれてしまった。

「アーン?誰が教えるかよ」
「え〜?!ケチ〜!」
「そーだぞ!勿体ぶってねーで教えろよ!」
「いいじゃないですか、教えるくらい」
「…テメェまで何加勢に入ってんだよ」

お前は俺様の味方だろ?口を外された手をそのまま頭に持って行きバスケットボールを掴むがごとく握り締めたので「ひぎゃあっ痛い!」と彼女が嘆いていた。確かにあれは痛そうだ。

謝る彼女を楽しそうに笑う俺様に周りは呆れていたが、本気じゃないのはわかっていたし頭を撫でられた彼女がこそばゆそうに頬を染めてるのを見て彼らなりのじゃれ合いなのだろう、そう思っていた。


「跡部さんがね、あそこのベビーカーにワンコが乗ってるけどあれはあいつらの子供か?っていってたの」
「おい!何バラしてやがる!」

冗談に決まってるだろうが!と怒る跡部にちゃんはしてやったりに笑って「いいじゃないですか」と伸ばされた手から必死に逃げている。しかし彼女を挟んだ反対隣にはジローが座っていたから逃げられるはずもなく、力いっぱいに抱きしめられちゃんは悲鳴を上げていた。

そんな2人がこの後距離を取って音信不通になるなんて誰が予想しただろうか。



俺が思うにちゃんがあのまま跡部の近くにいたら早百合ちゃんは跡部に恋をしなかったかもしれないし、付き合うこともなかっただろう。そして跡部が早百合ちゃんと付き合わなければちゃんもここまで離れていくこともなかっただろう。


そんな風に俺はずっと考えていた。



勤めている大学病院のレストランに顔を出すと窓際の奥の席から手を振る姿が見え、忍足は足早にそこへと向かった。

「待たせてもうたか?」
「ううん。私も今来たとこ」

久しぶりだね、と微笑む彼女に忍足も微笑み返せば店員にメニューを手渡され、「コーヒーで」と端的に返した。


「なんや随分見ない内に綺麗になったとちゃうか?」
「忍足くんはうまいなー。ただおばちゃんになっただけだよ」
「おばちゃんて…っそこは大人の魅力やないんか」

全然綺麗やで?と持ち上げると目の前の彼女は少し照れたように微笑み「ありがとう」と礼を述べた。彼女と会うのはかれこれ3年ぶりだろうか。元々落ち着きのある大人びた女性だったが年を重ねてより一層艶が増した。

仕草ひとつとっても男を魅了するような動きに忍足はそんな彼女をぼんやりと眺めた。


「忍足くんも元気そうだね。お仕事でやつれてるかと思ってた」
「やりたい仕事やからな。充実はしてるで」
「充実かーいいなー」
「なんや、早百合ちゃんは充実しとらんの?」
「仕事の方はまあまあだけど」
「もしかして親か?」

伏せられる目になんとなくそう思ったら彼女は眉尻を下げて微笑んだ。彼女の家は極々一般家庭だったが高校の時にそれが崩壊してしまった。彼女も精神状態が過酷を極めていたのにも関わらず奮闘していたが結局繋ぎ止めることはできなかった。



「今はオカンと一緒に住んどるんやろ?」
「うん。でも最近身体の調子が悪くてさ。できれば忍足くんの病院で1度検診させてもらいたいなって思って」
「健診くらいならかまへんけど…結構深刻なん?」
「そこまでじゃないと思うけど…でも心配で」
「そらそうやろな。あ、紹介状があればスムーズやけど、ある?」
「ううん。他の病院じゃ信用できなくて」
「ほうか。んなら俺も上に掛け合ってみるわ。なるべく早く連絡するな」
「うん、ありがとう」

忍足が承諾すると日野さんは安心したように微笑んだ。

「オトンとはもう連絡とっとらんのか?」
「うん。あっちにも家庭があるし、ね…」
「さよか…」


注文していたコーヒーが届きそこで会話が途切れた。
がやがやと話し声や食器の音で賑わっているレストランは忍足にとって見慣れた空間だが目の前の彼女を見ていると異質のものに感じてしまう。まるで彼女だけ切り取られたようなそんな姿に忍足は目を細めた。


「…は…、」
「ん?」
「景吾は、元気?」
「元気やないか?時間合わんくて随分顔見とらんけど」

コーヒーを飲みながらおもむろに切り出された名前にピクリと反応したがトボけたフリをして返した。
彼女は「そっか」と零すと手元にあるカップを見つめ液体に映る自分の姿を見つめている。そんな彼女を忍足はじっと見つめ次の言葉を待った。


「…婚約解消、したんでしょ?」
「それ、よう知っとるな。テレビに出とらんニュースやで」
「雑誌記事読んだから」

そういって日野さんはカップを両手で包み、液体を揺らすと彼女の姿は波紋で見えなくなってしまった。



ゴシップは煽るだけ煽って結果を流さないのはよくある話だ。跡部もその括りに入っているが、もし元婚約者の妊娠が発覚すればこぞってまた注目するだろう。跡部のことだからバレても圧力をかけて揉み消すだろうがこの日野さんはどこまで知っているんだろうか。


「…会いたいんか?」
「…う、ん。ママも心配してたから」
「連絡はしたんか?」
「うん。でも繋がらなくて…」
「番号は変わっとらんはずやけど…あいつ携帯ぎょーさん持っとったからな」
「そうだね。気分で変えてたもんね」

「……会ってどないするん?」


昔を懐かしむように微笑む彼女をまっすぐ見据えれば、日野さんは少し困った顔で「そうだな」と窓の外を見た。


「まずは謝りたいかな。あとお礼。私が今ここでちゃんとこうしてられるのは景吾のお陰だから」


ピンと伸ばされた背筋に彼女の自信が伺え、あの頃の脆さはそこにはなかった。


「だからね。今度は私が景吾を助けてあげたいの」


私の時みたいにまた助けてるんでしょ?
こちらを見た彼女に、ああ、この子は本当に跡部のことが好きだったんだな、としみじみ思った。



別れ間際の2人はとても悲惨なものだったが、ジロー達程日野さんを敬遠する気にはならなかった。岳人にはそのことについて苦々しく苦情を言われたが、どこを見てるのかわからない上っ面なお嬢様達よりはとても人間的で忍足は嫌いじゃなかった。

多分そう思えたのは彼女の人柄が自分にとって好ましかったのと普通に話す分にはしっかりしたいい子だったからだ。


おそらく跡部と付き合って家庭の事情やらなにやらでキャパシティを超えてしまったのだろう。あの時だって離婚が無ければもしかしたら大人しく跡部を見送り、遠恋を続けるか彼女から別れを切り出したかもしれない。
跡部だって人間だから情だって湧くし、元カノを離婚で路頭に迷わすなんてことは自分のプライドが許さなかったから助けもしたんだろう。

そのお陰で彼女はこうして前を向いていられるがその分跡部への思い入れも強く残ってしまった気がした。



******



大人の隠れ家にピッタリなムードある雰囲気のBARに入った忍足は勝手知ったると言わんばかりに店内を歩きある席へと向かう。控えめなライトに照らされた見知りを見つけると速度を少しだけ早め、彼が座る皮張りのソファに自分も座り込んだ。

「なんや、景気悪い顔しとるな」

邪魔にならないクラシックを聞きながらグラスを揺らす彼に話しかければこちらを一瞥してまたグラスに視線を落とす。同じように忍足も視線を下げると琥珀色の液体の中で揺れる氷がカランと音をたて鈍い光を反射した。


「なんや、ケンカでもしたんか?」
「してねーよ」
「その割には随分酔っぱらっとるんちゃうか?」

見るからに据わった目に1、2杯の可愛いものじゃないのだとわかる。どんだけ飲んでたんだと呆れたがあの跡部がやけ酒するのも珍しい、と思った。

何でも完璧にこなすこの男はガスの抜き方も十分にわかっていた。だから、こんな風に酒で紛らわせることが本当に珍しくて。それだけ今の状態が退っ引きならないのだと暗に告げてるようにも思えた。

自分も酒を受けとり、喉を潤すと跡部は鼻を鳴らしもう一杯注文していた。どんだけ飲む気やねん。


「何があったん。話してみ?」

ちゃんと何かあったんやろ?と聞けば跡部は溜息混じりに息を吐き、残りの酒を飲み干した。はてさて、何があったのやらと耳を傾ければ「あの女、俺様が帰国した時に買ってやったドレスを着て出迎えなかったんだよ」と返ってきて危うくお笑いの三種の神器を実行しそうになった。

……いやいやいや、まさか、それだけじゃないだろう。そう思い続きを即せば「バレンタインチョコも結局寄越さねぇし、相変わらず手塚と連絡とってはニヤニヤしてやがるし、何なんだよアイツは」と愚痴を並べ忍足を脱力させた。どこぞの中学生の話を聞いてる気分だ。

というか、あの跡部景吾が出迎えがないことやチョコを貰えないごときでいじけて自棄酒するか?小中の頃ならまだしも20歳越えのいい大人が。いくらなんでも幼稚すぎやろ。



「………ああ、ドレス着てどっか外で食べる気だったんか?」
「チゲーよ。まあ、一応それもいいかと思って誘ったが試験勉強もあったし手料理を用意してるっていってたからな」
「(結局惚気かいな。鬱陶しいわぁ)…だったらちゃんが嫌がるのも無理ないで。家で料理してドレスで出迎えなんて感覚理解できる日本人早々おらんで」

海外の恋愛小説やドラマではそういう趣向を楽しんだりそれで距離を縮めたりしているみたいだが、いくらなんでも一般家庭で育った日本人であるにそれと同じことを欲求するのは無理があるだろう。

しかしそこで忍足はピン、とあることに気がついた。わざわざ跡部がそういうことをさせるってことは、だ。


「もしかしてドレスちゃんにプレゼントしたんか」
「ああ」
「……」
「……」
「…ヤりたかったんか」
「そこまで露骨なこと思っちゃいねぇよ」

さぞや自分好みのエロいドレスを贈ったんだろうな、と思ったが「別に、があれを着ればヤるとかヤらねぇとかはどっちでもよかったんだよ」と如何にも堅物そうなことをいう台詞に鼻で笑ってやった。跡部、それはキャラちゃうわ。


「なにいうとんねん。自分好みの服着せといて欲情しない方がおかしいやろ。ボケも大概にしいや。……ハッ……跡部、まさかと思うがEDになったんか?……ぶふっ」
「バーカ。んなわけあるかよ。俺様の息子は健康そのものだっつーの」

テメーと一緒にすんな、と切り返され忍足は苦笑した。俺の息子だってまだまだ衰える予定あらへんわ。

しかしそうなると跡部…というか男にとってはなかなかの苦行だろうなと思った。彼女の手料理で満たされるのは満たされるがそれはそれ。好みの女性と一緒にいる時間が増えれば増えるほど別の欲求も肥大していく。それを考えて忍足はなんともいえない顔で跡部を見やった。

「随分溜まってそうやな」
「……仕方ねぇよ」
「ヤれるもんならヤりたいって顔に出とるで」
「……………そりゃそうだろ」
「告白はしたんか?」
「いや、してねぇ」
「…何か気になることでもあるんか?」



恋愛に関しては何気に直球の跡部が二の足を踏むとは、と珍しげに聞けば彼は言い難そうに頭を掻き溜息を吐いた。

「なんとなく、タイミングが掴めねぇんだよ。俺に隠れてこっそり手塚と連絡取り合ってるしな。こんだけ近くにいる俺より手塚の方が気になるとはどういう了見だよ」
「それはあれちゃうん?近すぎて跡部に慣れてしもうた……わけはないか。単純に告られて意識した延長線、ちゃうん?」
「それにしたって近くにいるのはこの俺様なんだぞ?!」

この俺が手塚に見劣りするわけねーだろ!と豪語した跡部にまあ普通はそうだろうな、と思った。いやまあ人の好みは千差万別だからそうとも言い切れないが。ちゃんにとっては手塚の方が跡部の魅力より勝っているのだろうか?…そんな気はしなかったのだが。


「…まあ、ちゃんは中学の頃からその辺変わっとったしな」
「……」
「色眼鏡ナシで俺らとつるんどったし。跡部もそこが気に入っとったんやろ?」
「……まぁな」
「しかし、そうなると跡部の良さは大分減ってまうなぁ。残るのは金持ちくらいか?」
「アーン?そりゃどういう偏見だよ」
「やって自分と手塚戦っても突出しとるんは金くらいやん」
「テメーな…」
「手塚には学生時代から一途に想っとったっちゅう最大の武器もあるしな。跡部じゃ敵わへんやろ」
「何だそりゃ」
「覚えとらん?忘年会の時、初恋の人の話しとったやろ?手塚の初恋の相手、ちゃんやで」

ああいうこといわれたら女の子弱いんとちゃうか?それが憎からずの友達関係なら尚更。
片や浮名を飛ばしまくった上にちゃんの友達と付き合って、とどめは跡部に忘れられてるとちゃんはまだ信じてる。そこだけはフォローも出来ないほど勝ち目がないだろう。


「せや、今更蒸し返すのもアレなんやけど、何で最近になるまでちゃんと連絡取り合ってなかったん?」

跡部に距離と時間は殆ど関係ない。後押ししたいと思ったら煙たがれた渡瀬にも手を差し伸べたくらいだ。ちゃんだけ連絡が取れなかったというのはやはり気になってさりげなく聞いてみると彼は眉間にシワを寄せ髪をかき上げた。



「別に放置してたわけじゃねぇよ。学生の頃はマメに連絡したし会いにも行ってたぜ」
「……(行ってたんか)」
「大体は幸村達に邪魔されてたがな。そのうち連絡もつかなくなって……アイツから何度かかかってきた電話も折り返すといつも繋がらねぇし。最後は幸村が出やがって"もう連絡してくるな"って釘刺されたから止めたんだよ。
あとは卒業した後に1度連絡したがその時にはもう番号変えちまった後だったしな」


こっちはに用があったのによ。とぼやく跡部にそれなりに行動してたのか、というのとそれでも跡部らしくないな、と思った。
忍足が知ってる跡部は会いたいと思ったら必ず会いに行くし連絡を取りたいと思ったらどんな手を使ってでも連絡手段を手に入れる、そんな男だったはずだ。


しかしそこであることが過ぎった。

もしかしたら跡部は忍足が考えてる以上に傷ついていたんじゃないだろうか。
跡部の周りには人は多かったが信頼できる仲間や友人は限りなく少なかった。
跡部のことを本当に理解できる人間がいなかったからだ。

その限りなく少ない中にちゃんがいて、その彼女が(跡部に恋心を抱いたからといっても)勝手に離れていったことがとても悲しくて傷ついたんじゃないだろうか。
だからいつものように傲慢に振舞うことも踏み込むことも出来ないのではないだろうか。


そんなことを考えながらぼんやり跡部を見ると彼は難しい顔のまま持ったグラスを見つめ、小さく揺らした。最低限落とされた明かりの中で鈍く反射する透明な氷がカランと揺れた。

「手塚は初恋の相手に今更告白したっていうのかよ……ありえねぇだろ。つーか彼女いねーのかよ!」
「そりゃまあ、手塚も男やし、それなりに経験しとると思うけど…今回はまあ、"やけぼっくいに火がついた"みたいのとちゃうか?」
「…なんで、なんだよ」
「それは同情するわ」
ある意味幸村よりも難易度高い相手やしな。



「まさか、ワイドショーのやつが響いてたりしてねーよな?」
「それは大丈夫ちゃうん?例の浮気は解消しとるし、峯岸さんの件も終わったことやん。中高の頃に比べたら綺麗さっぱりクリーンやろ」
「……」
「……あ、」

「…早百合」

しまった。中高の頃は禁句だったか!と固まる跡部を見て慌てたところで、日野さんの名前が出てきて思わず顔に出して驚いてしまった。もしかして連絡でもとったのか?と思ったがそういうわけではないらしい。


「早百合と別れた後、俺はさっさと出て行っちまったがはそれなりに交流あっただろ?あることないこと吹き込まれてるんじゃねーかと思ってよ…」
「そ、それこそ今更やん。それで嫌や思っとったら跡部の飯やって作りたいいわへんやろ」

むしろちゃんは跡部に忘れ去られてると思ってるから跡部の予想は遠からず、なのだが。あの頃を思い返しても日野さんがちゃんにあれこれ跡部の悪口を吹聴していたとは思えなかった。
まあ、付き合い自慢ぐらいはしていただろうが、その頃にはちゃんは幸村と付き合っていたからそういう悪口まで回ってなかっただろうと踏んでいる。

しかしまあ、自信家の跡部が告白でこうも頭を悩ませてるとは。それほどちゃんに入れ込んでるらしい。珍しいような、気味悪いような気分で眺めていたがあることを思い出し口を開いた。


「あ、そうや。この前早百合ちゃんに会うたで。また美人になっとったわ」
「…そうか。仕事は続けてんのか?」
「オカンと一緒に暮らさなあかんからな。一生懸命働いとるいうてたで」
「そうか」
「ほんで…」


跡部に会いたいみたいやったで。

そう言おうとしたが言葉に詰まった。別に彼女とも友達なのだから世間話程度に話せばいいだけなのだがなんとなく憚れた。
脳裏には渋い顔をするもう1人の友達が浮かんでその顔に日野さんの言葉を飲み込んでしまった。これだけベタ惚れしとるんやから言っても大丈夫と思うんやけど。



「どうした?」
「…いや、なんでもあらへん」

大丈夫だと思ったのだが、こちらを見る跡部の顔を見て、いうのをやめてしまった。
折角一途に思い悩む跡部と、その想いに戸惑いながらも少しずつ受け入れてるちゃんのことを思えば、あえてわざわざ水を差して荒らす必要もないだろう。そう思ったのだ。

「…恋は障害がある方が燃え上がるもんやけど、余計なことをしたらシバかれそうやしな」
「当たり前だ。に手を出してみろ。あらゆる手を使って俺の手でテメーを抹消するからな」
「おお怖」

据わった目で射殺さんばかりに睨んでくる跡部に内心ちょっとだけヒヤっとしたが、忍足は笑ってグラスを煽った。

日野さん堪忍な。俺は初心で可愛いちゃんと子供みたいに独占欲丸出しな跡部が面白くも微笑ましくてかなわんねん。この2人の行く末を見届けたいから当分心に仕舞っておくわ。




跡部傷ついてたのか。まあそうだろうね。
2013.12.04
2016.01.07 加筆修正