蕩けてしまう・3




心行くまで貪った政宗が口を離す頃にはの意識は朦朧としていて彼の肩にもたれかかっていた。

「はぁ…はぁ…し、死ぬかと思った…」
「ククッ前田とはしなかったのかよ」
「す…るわけない、でしょ…」
「同じ湯に浸かってたんだろう?誰が入ってたのか知らなかった、ですむと思ってんのか?」
「………!…っ…け、慶次さんとは、たまたま一緒になっただけで…それでちょっと…話した、だけで…っん!」

「何の?」
「こっ恋バナです!慶次さんお約束の!んぅっ………っもう!さっきから何なの?!こっちは息苦しくて死にそうなのに!」
が考える素振りを見せるからだろ」


言葉くらい選ばせろ!といいたかったがそれをいわさないように口を塞がれてしまった。さっきから意味深に触られたりキスされて、頭の中が真っ白になってしまうから止めてほしい。それでなくてもお湯の温かさで体温が高いというのに…のぼせてしまいそうだ。

「やっぱり前田と入ってたのか」
「あ、え。……あ!ちがっ…ぁうん…っ」

あれ?政宗確信があったんじゃなかったの?と思ったがムッとした彼の前では言葉に出来ず飲み込んだ。代わりに首筋に吸い付かれた刺激に肩が跳ね、彼の逞しい腕を掴んだ。

頭も身体も熱いせいなのか思考が段々ぼんやりしてくる。与えられる刺激にくすぐったいようなむずむずするような感覚も、じわじわ大きく波打ち、彼の手に撫でられる度声が漏れ出た。

しかしその声があまりにも卑猥に聞こえて慌てて口を塞ごうとしたが政宗に止められ甲高く上擦った声をあげてしまった。


「…ゃだもう。何するんですか…」
「Ha!…ナニも何も…俺の許可なく前田に裸を晒すKittyにお仕置きしてんだよ」
「全部は、み、見せてないし!それにこんなことだってしてないのに…」

慶次さんとは恋バナとか雑談しかしてないのに、そう呟けば「It’s natural. こんなことしてたら今すぐここで犯してる」といわれゾッとした。

「…私、一応子供なんですが」
「Uh-huh。お前、いうほど子供じゃねぇだろ?」
「え、」
「つーか、子供がこんな Amorous な顔できるとも思えねぇしな」 (艶かしい)

浅い呼吸を繰り返しながら政宗を見れば彼は少し困ったように笑っての乱れた髪を撫で付けるように触れた。
その際、頬に触れた指先にすら反応すると彼はくっと喉の奥で笑って顔を近づけ「You are very sexy.」といって耳を甘噛みされた。政宗、十分ヤル気満々に感じるのは私だけでしょうか…?


バクバクと煩い心臓を気にしながらも政宗を伺っていれば、彼はの掛け襟に手をかけ力任せにぐいっと引っ張った。水気を含んでいて脱がしにくかったとはいえ、その行為にギョッとしてしまい慌てて彼と距離をとろうとした。が、それは叶わずそのまま露になったデコルテに吸い付かれた。

「ま、待って!さっき、しないって…っ」
「ヤらねぇよ。だが、印は残す」
「しるし…?」

「前田と恋話だか雑談だか知らねぇが、俺のものだって自覚が足りねぇKittyは目に見えたものがねぇとわからねぇみたいだからな」
「わ、わかってますってば!次はもう少し気をつけますって!だから…あ!」
「俺に首輪をかけてまで独り占めしたいって思ってる女が他の男にも現をぬかすなんてこと許すと思ってんのか?


ばちゃばちゃと揺れる水音の合間に胸元に吸い付かれチクリと痛みが走る。見れば皮膚の薄いところに赤い華が咲いていた。上目遣いなのに挑んでくるような肉食の瞳に雛はドキリともギクリとも音がしてまた胸元に赤い華が咲く。

首輪?と彼の言葉を反芻してまた与えられた痛みに似た刺激に彼の首に腕を回すとじゃらりと金属が触れ我に返る。そうか、私。


「ま、さむね、さま…っ私、そんな、そ、んなつもりじゃ…ぁ、っ」
「今更、言い訳してもおせーよ。………それに、嫌じゃねぇ」

妙芳さまに負けたくないって思っててもいってはいけないって思ってあの手この手で言葉を変えてたけど政宗には最初からバレバレだったらしい。

そんなつもりはなかったはずだけど彼にお守り代わりに渡したネックレスがそんな風に受け止められるなんて思ってもなくて。でも、間違ってなくて。
この時代だから、と諦めてたけど、側室も悪くないよね、なんて思い込もうとしてたけど、でも私は、政宗に私だけを見ていてほしいってそう思ってるんだ。


「お前に"独占"されるのは悪くねぇって思ってるんだ。だから。お前も早く俺のものになりな」


ニヤリと笑った奥州筆頭は至極嬉しそうで、はその笑顔がこれまた格好いいとか思ってしまってその沸いてる脳みそに眩暈がしたのだった。




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2016.02.29
英語は残念使用です。ご了承ください。

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