だから英語で聞かないで
が小十郎の屋敷で療養して1ヶ月くらい過ぎた頃、縁側で足をぶらつかせていればドタドタと足音を立て政宗がやってきた。
「How is an injury?」 (傷の具合はどうだ?)
その後ろに小十郎が控えてるのを目敏く見つけたは縁側を上がり座礼をする。こうしないと小十郎が煩いんだ。始めのうちは慣れなくて普通に挨拶したら2時間も説教された。
顔を上げていいと頭を軽く撫でられ政宗を見れば「How is an injury?」と再度聞かれる。怪我の具合を聞いてるんだろうけどちょっと自信ないなぁ。愛想笑いをして首を傾げれば政宗はムッとした顔で「傷の具合はどうだ?」とちゃんと日本語で話してくれた。
「小十郎の話じゃ持て余してその辺をウロウロ歩いて女中を驚かしてるそうじゃねぇか」
「え…あ、ごめんなさい。早く部屋を覚えようと思って」
「そのattitudeは認めるが、まだ傷は癒えちゃいねぇんだろ?」
包帯もまだ取れてねぇしな。と足首を指差されは頭を垂れた。
体力は数日を過ぎた段階で回復していて、政宗の言うとおり持て余して屋敷の中をウロウロ徘徊していたのだ。そのせいで度々女中さんを驚かせてしまったけど、今はちゃんと挨拶してるんです。
まぁ、足を捻挫してたり膝がべろんべろんに剥けてたりしてたのもあって歩くのもままならない状態だったから驚かれて当然だけど。
それに歩いてないと暇すぎて腐りそうなんですよ。テレビもゲームも携帯もないし、としょげていると政宗が髪を掻き混ぜるように頭を撫でてきた。
「Oh, well...それはそうと新しい薬を持ってきてやったぜ」
「あ、ありがとうございます」
って、なんでお殿様が薬持って来てんのさ。お礼をいったものの、何考えてんの?と彼を見るとニヤニヤ意味深に見てくる政宗と目が合い、肩が揺れた。
ま、また足の手当てをするとかいうんじゃないだろうな。前回、政宗の気まぐれで手当てをしてもらうことになったのだけど、くすぐられたり傷が開かない程度に悪戯されたり散々だったのだ。できれば願い下げたい。
何かあったら助けてね!という意思表示で小十郎を見れば頭を捕まれ強制的に政宗と目が合った。
「Hey tomboy.小十郎がいたくお気に入りのようだな?」
「(ヒィッ)」
おてんば娘って!一瞬誰のことかわからなかったよ!!威圧してくる視線に身体を震わせれば、の顔を見て満足したのかニヤリと口元を吊り上げ、私を見たまま小十郎を呼んだ。
「小十郎!この包帯はいつ頃取れんだ?」
「はっ!あと半月はこのままと」
「OK.」
「は、はい!」
「Can you stand it for 2 week?」
「え……あ、と」
2週間我慢できるかって?ていうかこの人、私が英語わかってるような素振りなんですけど…。政宗と仲良くなるなら英語知ってるって話した方がいいけど、今更いうのも後が怖いしなぁ(主に小十郎が)。なので曖昧に頷くと政宗の顔があからさまに曇って焦る。
「ほ、包帯が取れたら何かいいことでもあるんですか?」
ああもう気難しいな!と慌てて促すと今度は小十郎の眉間の皺が増えた。あ、でも政宗の機嫌は戻ったみたい。
「Sure!その足が治ったら俺のHomeに連れてってやるよ」
「………へ?」
道理で小十郎の顔が不機嫌になるわけだ。「Good newsだろ?」と笑う政宗にどう返したらいいのかわからなくてとりあえず笑って誤魔化しておいた。
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2011.05.18
2012.03.14 加筆修正
英語は残念使用です。ご了承ください。
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