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「やっぱ俺のせいだよな…」

降旗の号令で屋上に集まった火神達はそれぞれ昼食をとっていたがミーティングだといわれたのに特にそれらしい話はせず雑談をしてしばし沈黙がおりた後、ぼそりと呟き一斉に彼を見やった。


「俺が帰りたがってたを引き留めたから黄瀬に目ぇつけられたんだよな」

練習試合の後たまたま再会した黄瀬とマジパでゲームすることになったは、(火神は初めて知ったが)持ち前のオタク根性で黄瀬を圧倒し難易度が高いというゲームをクリアしてしまった。

そのせいで黄瀬の目の敵?にされたようだが降旗よりもそのきっかけを作った火神に対して恨みがあると彼女の目が物語っていて、火神はパックジュースを飲みながら肩を竦めた。
あの後何日も何も言わず恨めしそうに睨んでたもんなアイツ。


「降旗君のせいではありませんよ。そもそもの原因は火神君ですから」
「なっ俺かよ?!」

しれっと火神の胸の内を見透かした黒子に驚き狼狽したが「図星でしたか?」と返され顔をしかめた。引っかけかよ!


「ですが、黄瀬君がさんに興味を持ってしまったのは確かです」
「え、それ、大丈夫なのか…?」
「問題なかったら今日休んじゃいないだろ」

河原、福田の言葉に一同はどんよりとした空気を纏い溜息を吐いた。



本日は欠席している。何もが休んだのは今日が初めてではない。サボり魔、という訳でもないだろうが定期的に休んでいるのは確かだ。

以前試験勉強の時『お前こそ大丈夫なのかよ』と聞いてみたらそこは計算しているのだと聞いた。なので学校に来た時は火神より真面目に勉強しているようだった。


「やっぱ、謝った方がいいよな…」
「何に対して謝るんだよ。別に悪いことしたわけじゃねーだろ」
さんにとってはとんでもなく悪いことですけどね」
「そりゃ、そうかもしんねーがフリだってこうなるとは思ってなかったことだろ?それにがあそこまで黄瀬のこと怖がってるなんて知らなかったことじゃねぇか」

知らないことを謝るとかそれこそ支離滅裂じゃねぇのか?と黒子に返せば奴はムッとしたものの、「それもそうですね」と同意し沈黙した。


降旗達はが昔黄瀬となにかあったかは知らない。何かあったことくらいはわかってるだろうが黒子が前にいっていた『イケメンアレルギー』以外の情報は殆どないはずだ。

火神だってが自分から話さなければ聞くことはなかった。
だったら黒子が話してくれれば少しはこのもやもやした空気をどうにか出来ると思うのだが、本人に許可を得ないと話せないという態度しか見せない。

いいたいことはわかるが黄瀬がに興味を持ったのも、が報酬の為に黄瀬とゲームをしたのも全部が全部降旗のせいではないのは確かだ。それで謝るなんて納得できない。



「辛いから"もう辞める"とかいったりして…」

だったら俺が話すべきか、と口を開いたところで河原が冗談っぽく呟いた。

その言葉は外にいるもかかわらずしっかり届き火神達の胸に重く響いた。




2019/07/13