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家に帰り、いつもより早く入浴を済まして部屋に戻ると充電器に繋いでいる携帯が点滅していた。確認すると早速高尾君からメールが届いていた。律儀だ、と思いつつ開けると案の定写真付きだった。
「うわ、」
写真の人物は勿論緑間君で、その緑間君の眉間の皺がこれでもかと寄っていて顔を引きつらせた。
見た感じ高尾君がとった写真を緑間君に転送してそれを見ている光景を撮ったのだろう。手間のかかることを、と思いながら嫌そうな緑間君に会わせる顔がないな、と思った。
「あれ、連投だ」
仲良くもないけど、嫌われるのは辛いな、と思っていればまた高尾君からメールが届く。
『お守りくらい自分で買うのだよ、だってさ』とあり、『次会ったら新しいお守りか何かくれるかも。楽しみにしといて』とあった。
次に会うのは誠凛対秀徳戦なのですが。
その日は流石にないだろうな、と思いつつ『その時はバッグに入れて持ち運べる小さいものでお願いします』と返した。
だって緑間君のラッキーアイテム持ち運ぶの大変なものしかなさそうなんだもの。今日見たやつだってやたらと大きな置物だったし。
黒子君に聞いたら緑間君はゲン担ぎに大きなものを持ち歩くことが多いらしい。貰う身でそんな我儘はいわない方がいいだろうけど、でも流石に石で阿吽でシーサーはないな、と思ったので素直に返事をしておいた。
『了解。伝えとく』と律儀に返してくれる高尾君のメール確認してDVDをつける。
今入っているのは秀徳戦のものだけど、高尾君や会場でいっていた日向先輩の言葉が気になり、借りていた去年の誠凛と霧崎第一の試合をつけた。
「え、なに……これ、」
何か参考にでもなれば、そう思いノートに書き記していたが見ていくうちに何も書けなくなり、そしてある地点で手が震えシャープペンの芯がぽきりと折れた。
2019/07/18
変換がなかった。